腸閉塞症状(イレウス)の知識

　腸閉塞(イレウス)は原因や症状によって幾つかの種類に分類されております。ここでは一覧表を元にイレウスの分類と特徴について確認します。

【腸閉塞の原因によって分類】

　腸閉塞(イレウス)とは腫瘍や胆石、ポリープなど腸内に何かしらの病状が発症し腸管内容の肛門側への移動に障害をきたした病態の事です。

　イレウスは腸管の内腔が機械的通過障害によって発症する「機械的イレウス」と、腸管の神経障害や腸管内の血流の悪化による蠕動運動が悪化することによって発症する「機能的イレウス」に分類されます。

　尚、実際に発症する多くの腸閉塞は前者の機械的イレウスによるものです。

　腸閉塞の分類による機械的イレウスは更に単純性イレウス(閉塞性イレウス)と複雑性イレウス(絞扼性イレウス)に分類されます。

　単純性イレウスとは、腸管への血流障害、血行不全を伴わない腸閉塞の事です。

　複雑性イレウスとは、索状物による絞扼や腸管の嵌頓などによって腸管への血流障害、血行不全を伴う腸閉塞の事を指します。

　続いて、腸閉塞の分類では稀に発症する機能的イレウスですが、こちらも更に麻痺性イレウスと痙攣性イレウスに分類することが可能です。

　麻痺性イレウスとは文字通り麻痺症状を発症し、胆石・尿管結石などによって強い腹痛を伴う腸閉塞の事です。

　痙攣性イレウスとは、鉛中毒などによって痙攣症状を伴う腸閉塞のことであり、腸管が収縮することによって腸管内容の移動に支障をきたす特徴があります。

　腸閉塞を発症すると幾つかの独特の症状を発症するようになります。中でも代表的な症状としては嘔吐や強度の便秘、聴診ではカランコロンと独特の金属音が確認されます。ここでは腸閉塞の代表的な症状について確認します。

【独特の自覚症状を持つイレウス】

　腸閉塞(イレウス)の症状は幾つかのはっきりとした自覚症状を持つ点がひとつの特徴でもあります。

　前項のイレウスの分類にあるイレウスの種類によって自覚症状は異なる部分もありますが、全ての種類に共通するのは腹部膨満感や嘔吐症状を発症する点です。

　また、腸管の閉塞によって排ガス(俗におならと呼ばれる)や排便の停止や、腹痛を伴う傾向があります。

　以下はイレウスの代表的な症状の一覧です。

【腸閉塞の代表的な症状の一覧】
★腹部膨満感
★嘔吐症状
★便秘
★排ガス･排便の停止
★腹痛
★腸音の亢進
★腸雑音の聴診(特有の金属音)
★蠕動不穏(視診)
★鼓音(打診)

腸閉塞の種類(癒着性イレウス･単純性イレウス･複雑性イレウス･麻痺性イレウス)及び症状の特徴の解説。