アキレス腱炎とはアキレス腱周囲に炎症を発症する炎症性の疾患です。
【アキレス腱炎の症状の特徴】
アキレス腱炎は座った状態などの安静状態から立つ瞬間や、歩行時しはじめた時にアキレス腱そのものに痛みを感じる場合はアキレス腱炎の可能性が考えられます。
アキレス腱炎とは、人体の中では最も大きな腱であるアキレス腱そのものが炎症を起こす障害です。
アキレス腱炎の症状の特徴は、初期段階では安静状態からアキレス腱を動かしはじめる時に痛みを感じる点です。
但し、アキレス腱炎の症状は更なる特徴として、動き始めて数分たつと痛みが和らいでいくという特徴があります。
その為、アキレス腱に多少の違和感や痛みを感じていても、この症状がアキレス腱に炎症を発症してしまっているという事に気づく事が出来ないパターンが非常に多く存在します。
アキレス腱の治療方法は、アキレス腱炎やアキレス腱断裂などの症状によって異なってきます。
アキレス腱炎の場合は、まず炎症を抑えるために、運動を控えるようにしアイシングを行っていきます。
痛みが大きい場合は、抗炎症剤や痛み止めの薬を服用する場合もありますが、基本的な治療は安静を保つことで、1~2週間ほどで痛みも引いてきます。
アキレス腱断裂、もしくはアキレス腱の部分断裂をしてしまった場合は、手術によってアキレス腱を縫合するかギプス固定を行います。
このギプスで固定する治療方法は一般的に保存療法と呼ばれ断裂症状が軽い場合はこの保存療法を行うのが一般的です。
逆に、完全に断裂してしまっている場合は、アキレス腱自体を糸で縫合して結合する手術を行うパターンが多くなります。
アキレス腱を断裂してしまった場合に行われる手術療法と手術後の回復期間について確認します。
【アキレス腱の縫合手術内容】
アキレス腱炎が悪化しアキレス腱を完全に断裂してしまった場合や、スポーツを実践中で早期に競技に復帰する必要がある場合はアキレス腱の縫合手術を選択するパターンも多くあります。
縫合手術と聞くとメスを入れることから恐ろしい感じがしますが、手術自体はそれほど時間もかかりませんし、完全に縫合した状態になる為、リハビリテーションなども保存療法と比較して早い段階で取り組むことが可能となるメリットもあります。
では、アキレス腱の縫合手術とはいったいどのような手術をおこなうのでしょうか?これはやはり気になるところですね。
アキレス腱の縫合手術には、大別すると2つの手術方法があります。
ひとつは、下腿(ふくらはぎ)の下部にメスを入れて切開しアキレス腱の断裂している部分を直接縫合する手術方法です。
そしてもう一つは、皮膚を切開せずに、皮膚の上から皮膚ごとアキレス腱を縫合する手術方法です。
アキレス腱の縫合手術を行った場合、実際にスポーツ競技などに復帰を果たす事ができるまでに回復するには最低でも3ヶ月の期間が必要となります。
但しジョギング程度の軽い負荷の運動などは個人差もありますが、早いパターンでは1ヶ月程度で開始できる場合もあります。
アキレス腱炎など断裂にまで至らない場合は、1~2週間の安静で炎症も引いていきますので、それほど時間はかかりません。
アキレス腱の障害において把握しておきたい大切な事は、アキレス腱炎・アキレス腱断裂ともに再発の可能性が高い障害であるという点です。
部活の顧問などをしている指導者の方は、生徒がアキレス腱の痛みを訴えてきた場合は軽視せずに、症状をしっかり観察し、正しい対処をする事が重要です。