成長期の骨は1年で平均何センチ伸びる?

医学の豆知識

成長期の子供の膝・踵・足の甲の成長痛の症状の特徴、痛みの原因、治療方法を入門者向きに専門解説

◆骨は何年もかけて成長していく

成長痛の痛みの原因の大半は骨の成長に伴って骨端部へ牽引力が働いたり、炎症が生じることによって発症するものが大半です。

尚、第1次成長期~第2次成長期における骨の成長は、毎日のように行われ女性では「約15~16年間」そして男性では「約16年~19年間」もの時間をかけて成長していくと言われおります。

もし身長を伸ばしたいと思ったら、この骨が成長を続ける期間内に出来る限り伸ばすのが理想です。

◆骨端部から骨は伸びていく

成長期には個人差があり一概にこの期間と決めることはできません。

実際に20歳を過ぎてから身長が伸び続けている人もいます。

但し、骨が縦方向に成長する歳には骨の骨端部分にある骨端線部分から骨が成長していくことは事実です。

その為、この骨端線にあたる部分が柔らかい軟骨構造を維持している期間は身長を伸ばす歳には大きなチャンスと言える期間でもあります。

骨端線部分が硬い骨組織となってしまうまでの期間は骨が伸びていく可能性を大きく秘めていることは間違いないことです。

◆骨が長く伸びること=軟骨性骨化

骨はどんな風に大きく成長していくのでしょうか?

今回は骨が成長するメカニズムについてチェックしていくことにしましょう。

骨の成長は骨の先端部分に位置している骨端成長板(骨端プレート)と呼ばれる薄い軟骨の層での骨細胞の分裂によって成長しております。

このように骨端成長板部分の軟骨組織から骨が縦方向にぐんぐん伸びていくことを「軟骨性骨化」と呼びます。

※軟骨性骨化(なんこつせいこっか)=骨端成長板部分から骨が縦方向に成長していくこと

◆骨が太く成長すること=膜性骨化

身長を伸ばしたいともし考えた場合は軟骨性骨化によって腕や足の骨がどんどん伸びてくれると身長も当然伸びていくことになるのはわかるかと思います。

しかし、骨は縦方向だけに伸びていっても強い骨には成長しません。

当然長くなった分、骨の太さも増していくことが必要となります。

細く長い枝は簡単に折れてしまいます。

骨端成長板は骨端部分にあり骨の側面部分などには存在しません。

その為、骨が太く成長していく歳には、骨の膜を厚くしていくように成長していきます。

イメージとしては木の幹の年輪のように膜を厚くしながら骨は太く成長しくのです。

このように骨の太さを丈夫に厚くしながら成長していくことを「膜性骨化」と呼びます。

※膜性骨化(まくせいこっか)=骨の表面部分を厚くしながら太く成長していくこと

◆成長期の骨は1年で平均何センチ伸びる?

骨の成長は個人差もあるけれど平均的には10歳ころまでは1年に約6cm程度ずつ伸びていくと考えられております。

また10歳~14歳では1年に6~8cm程度、12歳~15歳では1年に8~10cm程度も平均的なラインとして身長が伸びていくと言われております。

※第2次成長期の12歳~15歳では平均でも1年に8~10cm程度も身長が伸びる

もちろんこれは平均ですから、一年間の間にもっとたくさん身長が伸びている子も当然いるでしょう。

尚、第2次成長期を過ぎると骨端成長版のプレート部分は徐々に閉じていきます。

そして20歳前後で骨の成長はとまり、ようやく人体の骨組織の完成となります。