成長痛の主な原因は骨の成長期にあたる時期になんらかの原因で骨の骨端部分にダメージが生じるもの。
骨は、成長期の骨は1年で平均何センチ伸びる?の項目でも解説しているとおり骨の先端にある骨端軟骨と呼ばれる組織が成長することによって伸びていきます。
しかし成長期の子供の骨端軟骨の成長力は、想像以上の速さで成長しております。
この想像以上に早い成長過程において骨端軟骨部分に何らかの痛みが生じるのが子供の踵や膝の痛みの原因のひとつになっております。
中でも特に多いのが膝の痛み、そしてかかとの痛みです。
子供の成長痛の痛みが発生する原因について考えてみましょう。
成長痛は特に激しいスポーツをしていない子供であっても痛みを発症するケースが多くあります。
この原因は、急激な骨端軟骨の成長による、人体への肉体的ストレスが原因です。
骨は筋肉の末端組織にあたる「腱」と呼ばれる組織に付着しております。
体育のストレッチ体操でもアキレス腱のストレッチなどがありますがアキレス腱も腱のひとつです。
腱組織は骨の特定部分に付着し、筋肉の運動エネルギーを伝え骨格の運動につなげております。
この際、骨が急激に成長すると、腱を通じて筋肉を引っ張りはじめるようになります。
この結果、骨と腱の結合部分に炎症などが生じる事が成長痛の痛みの発生のメカニズムのひとつとして考えられております。
成長痛ってたくさんスポーツをしてる時になりやすいと聞いたことがあるかもしれません。
確かにスポーツしてる子供の方が成長痛になりやすいイメージがあります。
成長痛の痛みはスポーツをしていない子供であっても痛みを発症する可能性があります。
しかし、成長痛の発症の特徴としては活発な運動をする子供の方がその発症率は高くなっております。
では、なぜスポーツなど運動を活発にする子供の方が発症率が高まってくるのでしょうか?
この原因は「局所的なストレスの継続」が主な原因になっていると考えられております。
子供の場合はまだ骨格が出来上がっていない為、例えば野球選手であれば投球動作の繰り返しで膝や背中などに痛みを訴えるケースもあります。
バレーボール選手であればスパイクを打つ際の捻り動作で腰や背中、跳び上がる際には膝や足関節に負担がかかります。
スポーツアスリートが各競技の動作を行う際には筋肉の収縮が関与している点をまず覚えておく必要があります。
スポーツをしている子供がかかとの痛みや膝の痛みを発症しやすい原因は筋肉の筋出力のメカニズムが関係しております。
筋肉が力を発揮する際には大きく3つの種類の筋出力方法があります。
その3つの筋出力方法とは以下の通りです。
●筋肉を縮めながらパワーを発揮
●筋肉を伸ばしながらパワーを発揮
●筋肉の長さを維持しながらパワーを発揮
簡潔にまとめると以上3つのケースで筋肉は運動エネルギーを発揮します。
そして、通常のスポーツ活動で主力となる運動エネルギーの発生方法は、「筋肉を縮めながらパワーを発揮」する方法が最も多く活用される方法となります。
この筋出力方法では、筋肉が縮む際に腱を通じて骨を引っ張ることになります。
この骨を引く作用が、骨と腱の付着面にストレスを与えることになり炎症などの痛みの原因となっているのです。
尚、この引っ張る際に発生するパワーが大きくなるほど、局所的なストレスは大きくなります。
「日常生活レベルの運動」「スポーツ競技の運動」を比較した場合、どちらのケースが大きなストレスを発生させるのか?
こう考えると、スポーツを活発に行う子供の方が、ストレスが大きくかかる事が容易にわかってくるかと思います。
筋肉の運動は腱を通じて骨格を動かしております。
例えば、腕を曲げる動作ひとつにしても、筋肉の働きがあり腱を通じて骨が動くことにより、腕を曲げる動作が完了されているという事です。
この際、腱と骨の付着部位には骨を動かす際に局所的なストレスが生じてしまう。
運動を活発に行う子供のケースでは、このような局所的なストレスが継続的に何度も何度も繰り返し行われることになります。
その為、運動を活発に行う子供の方が、痛みを発症する確率が高まってくるという訳です。