近所のおじいちゃんが痴呆症らしいよ。このような会話を耳にされた方も多いかもしれません。痴呆症はそれほど身近に存在する症状のひとつです。日本は高齢化社会があまりにも急速に進んでいる国ですからしっかりとした知識を学習しておくことはとても大切な事です。
痴呆症とは、一般的に物忘れなどが激しくなり、様々な特異的な行動をとる症状を発症する病気と考えられております。
この独特の症状は確かに看護側としては少し違和感を伴う現象であることは確かです。
しかし、人間はある程度年齢を重ねると、各種機能の低下に伴い
●物忘れ
いわゆる「ぼけ症状」を大半の方が発症するようになります。
この物忘れが多くなることは加齢に伴う脳の老化なども関与しており現在様々な分野で研究がなされ急速にメカニズムが解明されつつある分野でもあります。
尚、痴呆症(認知症)の存在が明確に医学で解明されるにつれて、これら一般的な老化現象以外の要因が組み合わさっている事が認知されはじめたのはここ数年の話です。
痴呆症を考える上で最も大切なことは、患者本人に現れている症状が、
●一般的な老化現象によるものなのか?
●痴呆症(認知症)によるものなのか?
を明確に見極める事が大変重要になってきます。
また、これらの見極めは早い段階、早期発見ができれば治療が可能なケースも多く確認されております。
認知症の約50%の患者がアルツハイマー型認知症であるとのデータもありますが、この治療が困難であるとされている
●アルツハイマー型
に関しても症状の進行を遅らせる効果をもつ最新治療薬も開発されはじめているのは皆さんご存知かと思います。
基本的にアルツハイマー型認知症は加齢と共に進行していく傾向にあるため症状がゆっくり進行するだけでも看護側の負担は大きく軽減されます。
尚、数年後には、症状の進行を遅らせるだけでなく、根本の治療が可能となる医薬品の開発がなされてくる可能性も現実的な話となってきているため今後の研究が大きな鍵を握る医療分野としても注目を集めております。
ですから、痴呆症の治療に関しては
●早期発見
●早期治療
が、今後の治療過程において最も重要な要素を占めてくることとなります。
※痴呆症・認知症は早期発見・早期治療開始が何よりも重要