糸球体の役割・働き

糸球体とは何だろう?腎臓と糸球体の構造・働き、及び腎臓と関わりの深い浮腫みのメカニズムの解説。

◆糸球体の役割・働き(もくじ)

◆糸球体でろ過されてきた原尿はいったいどのような成分構成になっているのだろうか?

 腎臓内で行われている濾過作業のシステムがある程度見えてきたのではないでしょうか?ここでは原尿に含まれている成分構成と主な有機成分の一覧を確認していきます。

【原尿の成分構成について】

 腎臓及び糸球体の構造は複数層のろ過装置によるろ過過程を得て尿としての排泄と血液中への再吸収を常時繰り返していることが見えてきましたでしょうか?

 流れとしては糸球体で濾過された血液から染み出た水分などはまずボーマン嚢へ流れ出る。

 この糸球体から染み出た水分は原尿と呼ばれる尿の元となる成分。

 ここまでの流れが見えてくるともうひとつ気になることがありますね。

 そう、既に糸球体でろ過されてきた原尿はいったいどのような成分構成になっているのでしょうか?

◆原尿に含まれる有機成分は再吸収される

 糸球体濾過機能を通した原尿の成分構成についてチェックしてみましょう。

 原尿に含まれている成分は主に有機成分の集まりで構成されております。

 以下は原尿に含まれる主な有機成分の一覧です。

【原尿に含まれる主な有機成分の一覧】
●重炭酸イオン
●塩化物イオン
●ナトリウムイオン
●尿素窒素
●グルコース
●カリウムイオン
●尿酸
●クレアチニン

 大半の成分は一度はどこかで耳にしたことがある成分ではないでしょうか?

◆原尿が再吸収される理由

 原尿は尿の元となる水分であることからこの原尿という名称がついております。

 しかし原尿の成分構成を見ると、原尿全てが排尿されていない原因が見えてきますね。

 原尿内にはまだエネルギーとして使用できる有機成分が多く含有されているのです。

 この有機成分は原尿の再吸収によって体内へ戻されていく流れとなっております。

 有機成分を原尿から濾し取り、老廃物のみを膀胱へ送る分別作業を行なっている組織が腎小体内の尿細管と呼ばれる組織なのですね。