偏平足の足裏は生まれ持った親からの遺伝によるものなのでしょうか?確かに偏平足は一定の割合で遺伝する可能性があることがわかりつつあります。しかし、親が偏平足であってもしっかりとした足裏のアーチ構造を保っている子供も多くいるように、遺伝以外の要素が偏平足の原因要素として関連している可能性があることも確認されるようになりました。赤ちゃんの足裏はみんな偏平足であるように、生後の環境などによっても足裏のアーチ構造へ大きな影響を与える可能性があるのですね。ここでは何故偏平足になるのか?など発症原因について確認していきます。
昔から、偏平足症状は遺伝による要素が大きいと考えられてきました。
しかし、偏平足症状は、筋力の低下など後天的な要素からも発症する事が徐々にわかってきた為、遺伝に限らず様々な状況下において発症する事が現在では立証されております。
偏平足とは足裏のアーチ構造がつぶれてしまう事によって、足の裏が偏平状に変形してしまう足裏のアライメント障害です。
そしてこの足裏のアーチを持ち上げる働きをもつ筋肉である
●後脛骨筋群(こうけいこつきんぐん)
の機能低下が偏平足に大きく関与すると考えられるようになりました。
【後脛骨筋群とは?】
足裏のアーチ構造を形成する働きをもつ筋肉群
☆後脛骨筋(こうけいこつきん)
☆長趾屈筋(しょうしくっきん)
☆長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)など
近年での医学の研究では、これら「後脛骨筋群」の筋力低下が偏平足に関与する可能性が低い事が改めて確認されつつあります。
医学の世界においても偏平足に関しては完全に原因が立証できない病気でもあるのです。
尚、遺伝が骨格形成に関与する事は立証されておりますから、現在では改めて後脛骨筋群の機能低下という見解よりも、やはり以前から検討されてきた遺伝による要素が高い可能性をもつ。
という見解に戻りつつあります。
こうしてみると、現在は偏平足の原因を考える際には遺伝性及び足裏のアーチを形成する筋肉の発達という双方の側面から考えていく必要があると言えます。
但し、生まれたての赤ちゃんの足は皆、偏平足。このあたりに何かヒントが隠されているのかもしれません。
人間の足は母親のおなかの中では誰もが偏平足状態となっております。
ですから、生まれたての赤ちゃんの足は完全なかわいらしい偏平足構造となっていますよね。
赤ちゃんの足裏の中心部分には十分な脂肪がついており、触ってみるとぷよぷよとしており非常に柔らかくなっております。
しかし、これは乳児の期間だけの話です。成長に伴って足裏の形状は徐々に変化を遂げていきます。
年齢的に足裏の偏平足構造が最も大きな変化を遂げるのは1歳~2歳にかけての間で、ちょうど歩行を少しずつはじめる段階に大きな変化を遂げます。
幼児期に入ると足裏のアーチは徐々に持ち上がるように形成され、個人差はありますが平均的には8歳~10歳までの期間に、足裏のアーチ形状はしっかりとした形に形成され、見た目にも明らかな足裏のアーチ構造が確認できるようになります。
しかし、この時期にアーチ構造を形成する筋肉・腱組織・靭帯組織の発育障や、運動不足等を要因として十分な骨格や筋肉の発達が出来ずに足裏のアーチが形成できずに大人へと成長していく子供もいます。
このような発育不全による偏平足を「先天性偏平足」と呼びます。
先天性と聞くと遺伝性と思われがちですが、幼児期の生活環境なども足裏のアライメント構造形成不全のひとつの要因となっているのですね。