ポリオワクチンの予防接種を受けるとどうしてポリオウィルスに対する免疫が構築されるのでしょうか?またポリオウィルスの3種類の型とはどのような特徴があるのかについて確認してみましょう。
お子様が生まれると、乳幼児はポリオの予防接種を行いますね。
予防接種は生後3ヶ月から受ける事が可能となっており6週間以上の間隔を設けて2回以上の予防接種を受ける事が義務付けられております。
では、このポリオの予防接種で取り込まれたポリオワクチンはいったいどのように働くのでしょうか?
まず、ポリオワクチンは口から導入します。
ワクチンはスポイトで口を空けた時にそっと入れてあげるイメージです。
体内に入るワクチンは腸に入り込み、そこからワクチン内のポリオウイルスが増殖を始めます。
このワクチン内のポリオウイルスは、野生株ウイルスの約1000分の1の濃度ですが、接種されたウイルスはしっかり増殖し、その後免疫を構築します。
尚、この際に構築された免疫は、強毒性のある野生株に対してもしっかりと免疫能力をもっているのが大きな特徴です。
ポリオワクチンはこのように、人工的に培養した微量の濃度のポリオウイルスを体内に接種することで、体内で一度ウイルスを増殖させ、ウイルスの免疫を構築する働きを持っているのです。
感染力の非常に高いポリオウイルスは3種類の型のウイルスが存在します。
これらの3種類のウイルスはⅠ型~Ⅲ型に分類され、それぞれの型に対して免疫を構築しなければいけない点がポリオの予防接種の大きな特徴です。
その為、ポリオの予防接種では必ず2回以上の予防接種を実施する事になっております。
尚、あまり興味がないかもしれませんが、ポリオのⅠ型~Ⅲ型ウイルスの中でも最も増殖力の強い型が「Ⅱ型」のポリオウイルスです。
ポリオワクチンの予防接種では、この3種類の型全てを混合したワクチンを使用しますが、腸内で真っ先に増殖をはじめるのも、このⅡ型のポリオウイルスなのです。
Ⅰ型及びⅢ型は、Ⅱ型と比較するとウイルスの増殖力が弱く、免疫も2回目以降の予防接種で構築される傾向にあります。
尚、昭和50年・51年・52年(1975年・76年・77年)生まれの方は追加の予防接種を受けるよう指摘された事がある方も多いかもしれません。
この追加予防接種はⅠ型のウイルスに対する免疫の構築が微弱である可能性がある事が確認されたため、Ⅰ型のウイルスに対する予防接種を再度行う必要性が産まれた背景があります。