造影剤を使用する検査を行う際は必ず検査を実施する前に同意書への署名が必要となります。この同意書の文面は弁護士を通して作成された医療訴訟問題に対する文面が多く並んでおりやや難しい文面も多く見られます。しかし、この同意書の存在の意味は近年、インフォームドコンセントに基づく概念の普及により徐々に意味合いが変化してきている部分もあります。医師の説明不足など、後々遺恨を残さないためにも一方だけが理解するのではなく双方がしっかりと状況を認識し信頼関係を築いた上で検査を受ける。このような幅広い目的で同意書の役割・重要性は高まってきているのです。ここでは同意書に記載される主な内容やインフォームドコンセントの概念について学習します。
造影剤を使用する検査をもし受ける際は、医師から渡される造影剤検査に関する
●同意書
へ署名しなければいけません。
これは造影剤検査には様々な副作用症状や危険要素が確認されている為です。
この同意書は病院によって書式が異なるので一概に同一内容とは言えません。
しかし、同意書に記載されている基本的な内容としては
●副作用症状が存在する事に対する事前の同意
●副作用を発生した際に適切な処置を受ける同意
の2点に内容は集約されております。
造影剤検査に限らず、近年の医療では手術や検査の実施前に同意書へのサインが求められるのが通常となっております。
これは、医療訴訟問題に対する裁判への対応策として登場したのが原点にあります。
その為、同意書の文面は弁護士を通して作成されているのが一般的です。
しかし現在は、同意書の当初の目的であった医療訴訟問題に対する対策としての書面という目的だけでなく患者への十分な説明を行う必要性や医師と患者の双方が十分な理解をして病気に挑むより深い意味合いを持った同意書の存在となりつつあります。
同意書の必要性・重要性が認識されるようになってきた背景としてはインフォームドコンセントの概念が急速に普及しはじめてきている事がひとつの原因にあると考えられます。
インフォームドコンセントとは、元々はアメリカが主流となって行なっていた手術前のより細かい状況の説明などを行う行動を意味します。
不安を抱えている患者さんに十分な説明を行いましょうね。という言わば医療概念のひとつとも言えるでしょう。
これは書面を確認するとわかりますが、従来説明不足と考えられてきた医療問題を同意書内容に沿って適切に説明を行うことで医師側も当たり前に思えて省いてしまっていた説明の不足を補うことが可能となります。
また患者側も実は聞いておきたい疑問があった時などに質問をすることができたり、事前に内容をしっかりと把握した状態で検査や手術に挑む事ができるようになるなど、インフォームド・コンセントの重要性は計り知れないものがあると言えるでしょう。
大きな手術などでは医師と患者、そして患者の家族まで結束して病気と戦う姿勢が何よりも重要です。
造影剤検査に関してもインフォームド・コンセントの概念を中心に双方の理解がより深い信頼関係の元に検査に挑む事が大切ですね。